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2021/01/14

忘れない 伝える 続ける つながる―東日本大震災から10年― ①

東日本大震災から、まもなく10年になります。
いわて生協の被災地支援活動は、組合員のみなさんと全国の生協の協同の力に支えられ、今日まで継続してきました。
10年の取り組みをふりかえり、これからの災害への備えについて考えます。




岩手県陸前高田市は、震災で大きな被害を受けた街のひとつです。
市長の戸羽 太さんに、復興の現状などお話を伺いました。

陸前高田市長 戸羽 太さんにお話を伺いました ※写真撮影時のみマスクを外していただきました

陸前高田市長 戸羽 太さんにお話を伺いました ※写真撮影時のみマスクを外していただきました



復興の勢いを削ぐ 新型コロナの拡大

陸前高田市の道路や建物の復興は最終段階にあり、一部遅れはあるものの、全体として計画どおりにすすんでいます。しかし、復興に時間がかかり過ぎました。整備した所は空き地が目立っています。2010年2万3千人だった市の人口は、2015年2万人を切り、2020年は1万8千人の見通しです。人口減少は、今後の街づくりの大きな課題となっています。
2019年にオープンした高田松原津波復興祈念公園には、県内外から多くの方が訪れ、にぎわいづくりや交流人口の増加につながっています。さらに企業誘致やホテル建設などの動きも出ていたところに、新型コロナの発生と拡大。勢いを削がれた思いです。
 

災害時に後悔しないために

震災を経験した私たちは、その反省、教訓を伝えていくことが大切だと考えています。全国で自然災害が起こる今、だれでも被災する可能性があります。「防災」はできなくても、「減災」はできる。災害が起きた時、どれだけ自分が後悔しないか。自分事として「減災」を考えていただきたいです。
すぐできることのひとつが、「災害時のルールを決める」こと。東日本大震災は、家族が離れていた日中に発生し、津波から逃れた時、多くの人が「家族がここにいない」という不安に襲われました。いざという時の避難場所や連絡手段を、ぜひ、大切な人たちと確認しておいてほしいです。


強みをいかす生協の支援活動

生協のバスボランティアは、「被災した自分を応援してくれる人がいる」ことが目に見えてわかり、励まされる思いでした。「ふれあいサロン」は繰り返し来てもらうことで、つながりを感じることができました。行政だけでは難しい「人と人のふれあい、出会いづくり」に、とても助けられました。さらに地場産品の取り扱いなど、生協の強みをいかした支援をいただき、感謝の思いしかありません。
これからも安全・安心な商品を届けていただくと同時に、地域に根差し、みなさんが笑顔になれるような活動に期待しています。


HELLOコープ172号(2021年1月発行)特集掲載内容